瓦を割ったら、教えてください!屋根職人からのささやかなお願い。
新築住宅の瓦屋根工事では、さまざまな職人が同じ現場で作業しています。
大工さん、外壁屋さん、電気屋さん、場合によっては太陽光パネルの設置業者さんなど。
実は、屋根職人以外の方が屋根に上がる機会も少なくありません。
そして、そんな新築現場で、ときどき起こる出来事があります。
いつの間にか、瓦が割れているんです。笑
瓦を葺き終わっても、まだ工事は終わらない
新築住宅の瓦工事では、瓦を葺き終えた後、破風板の取り付けを待ってから、ケラバ部分の袖瓦を施工する現場もあります。
そのため、一度現場を離れ、後日あらためて仕上げの作業に入ることがあります。
ところが、再び屋根に上がってみると……。
「あれ? この瓦、割れてるぞ?」
前回の作業を終えたときには、割れていなかったはずなのに。
屋根の上では、他の職人さんが作業中に瓦を踏んだり、工具や材料を当てたりして、誤って破損させてしまうことがあります。
もちろん、わざと割っているわけではありません。
私たち屋根職人だって、仕事をしていれば思わぬ失敗をすることはあります。
ただ、一つだけお願いしたいことがあるんです。
割ってしまったら、教えてください!笑
予備の瓦はあります。だから遠慮なく!
私たちは、こうした場合にも対応できるよう、予備の瓦を用意しています。
割れた場所を教えてもらえれば、状態を確認し、交換などの対応ができます。
別に、瓦を割ってしまったからといって、怒鳴ったり文句を言ったりするつもりはありません。
ところが、不思議なことに、破損について事前に連絡をいただけないこともあるんですよね。
怒られると思っているのでしょうか。
いやいや、そんなに怖くありませんよ!笑
むしろ、早めに連絡してもらえる方が助かります。
もちろん、最後には屋根全体を確認しています
ここまで読むと、「新築の屋根って、そんなに瓦が割れるものなの?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そこは安心していただきたいところです。
当社では、屋根工事の完了時に、軒先・袖瓦(ケラバ)・雨押え板金などの細部から、平場に葺かれた瓦まで、屋根全体を確認しています。
瓦の割れやずれ、施工上の不備が見つかれば、必要な補修や交換を行います。
また、当社が長年お付き合いしているハウスメーカーでは、足場を解体する前に「社内総点検」という確認作業も実施されています。
現場監督などの職員4〜5名が、屋根や外壁を含む外装全体をチェックし、各部位・各面を写真に記録していくんです。
そこで不備が見つかれば、担当する専門業者へ連絡し、速やかな対応を依頼しています。
足場を外してからでは、補修作業も大変になりますからね。
このように、屋根職人だけでなく、元請けのハウスメーカーも完成に向けて確認を重ねています。
私たちも、最後まできちんと確認して、安心してお引き渡しできる屋根に仕上げたいと思っています。
というわけで、他業種の職人さんへ。
さて、少し真面目なお話になりましたが、最後にもう一度だけお願いです。
瓦が割れてしまうのは、仕方のないこともあります。
私たちだって、仕事中に失敗することはありますから。
だから、もし瓦を割ってしまったら、遠慮せずに教えてください。
「すみません、瓦を一枚割ってしまいました!」
その一言があれば、こちらも早めに交換の段取りができます。
別に怒ったりしません。
本当に怒りません。
……たぶん、そんなに怖い顔もしていないはずです。笑
むしろ、何も言わずに帰られて、後から割れた瓦を発見したときの方が、ちょっと切ないんですよね。
そんなわけで、全国の大工さん、外壁屋さん、電気屋さん、そして屋根に上がる職人の皆さん。
瓦を割ったら、どうか教えてください!
瓦は交換できます。
でも、屋根職人の心まで割らないでくださいね。笑
執筆:株式会社 大日本絋産 スタッフ(屋根現場歴15年以上)
©株式会社 大日本絋産