屋根のカバー工法とは?費用・屋根材・メリットとデメリット
屋根のリフォームには、古い屋根を撤去する「葺き替え工事」のほかに、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねる「カバー工法」があります。
カバー工法は、撤去費用や工期を抑えやすい方法ですが、すべての屋根に施工できるわけではありません。
屋根カバー工法とは?
カバー工法は、既存の屋根材を基本的に残し、その上に新しい防水シートと屋根材を施工する方法です。「重ね葺き」とも呼ばれています。
主にスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)の改修で採用され、軽量な金属屋根材を使用することが多くあります。
ただし、既存の屋根下地が傷んでいる場合は、新しい屋根材を十分に固定できないおそれがあるため、事前の確認が重要です。
カバー工法に使われる主な屋根材
・ガルバリウム鋼板
軽量で耐食性に優れた金属屋根材です。カバー工法で広く使用されており、比較的すっきりとした外観に仕上がります。ただし、傷や施工環境によっては錆が発生することもあります。
・SGL鋼板(エスジーエル)
ガルバリウム鋼板をさらに改良した、耐食性に優れるめっき鋼板です。断熱材と一体になった屋根製品もあり、製品の性能や価格を比較して選べます。
・アスファルトシングル
ガラス繊維などを基材とした柔軟性のある屋根材です。軽量で錆びないことが特徴ですが、強風への耐性や施工条件は製品によって異なります。
なお、瓦屋根は凹凸が大きいため、一般的な住宅のカバー工法には向いておらず、通常は葺き替え工事を検討します。

ガルバリウム鋼板

SGL鋼板の施工例

アスファルトシングル
屋根カバー工法の費用はいくら?
屋根面積約80㎡の戸建て住宅を想定した場合、足場を含めて約80万〜150万円程度が費用の一つの目安です。
※実際の費用は、屋根材の種類・屋根の形状・施工条件などによって異なります。
例えば、次のような費用が発生します。
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新しい屋根材と施工費:約45万〜80万円
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防水シート:約5万〜10万円
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棟・軒先などの板金工事:約10万〜25万円
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足場工事:約15万〜25万円
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運搬・その他諸経費:別途必要になる場合あり
※各項目は公開相場を参考にした概算です。税込・税別や工事項目の含まれ方は見積もりによって異なり、合計額を保証するものではありません。
同じ面積でも、屋根の形状が複雑だったり、板金加工が多かったりすると費用は高くなります。
見積もりでは総額だけでなく、防水シート・板金・足場まで含まれているか確認することが大切です。
カバー工法のメリット
① 葺き替えより費用を抑えやすい
既存屋根の大部分を撤去しないため、解体費や廃材処分費を削減できます。
② 工事期間を短縮しやすい
屋根材を撤去する工程が少なく、天候や屋根形状にもよりますが、葺き替えより短期間で施工できる傾向があります。
③ 工事中の負担が比較的少ない
既存屋根を大きく開けずに作業できるため、工事中の雨への備えや撤去時の騒音・粉じんを抑えやすい点もメリットです。
カバー工法のデメリット
① 屋根下地の傷みを直接確認しにくい
既存の屋根を残すため、野地板や防水シートなどの状態を直接確認できる範囲が限られます。
雨漏りによって下地が大きく腐朽している場合は、上から新しい屋根材を重ねても根本的な解決になりません。
② 屋根全体の重量が増える
軽量な金属屋根材でも、既存屋根の上に重ねるため建物への荷重は増加します。建物の構造や状態を考慮する必要があります。
③ 将来の撤去費用が増える場合がある
次の改修時には、重ねた屋根材と既存屋根材の両方を撤去する必要が生じる場合があります。
また、既存屋根に石綿(アスベスト)が含まれている場合、カバー工法をしても石綿そのものがなくなるわけではありません。
カバー工法と葺き替え、どちらがいい?
費用や工期を抑えたい場合はカバー工法が有力ですが、下地から直したい場合は葺き替えが適しています。
例えば、スレート屋根の表面が傷んでいても、野地板が健全で新しい屋根材をしっかり固定できるなら、カバー工法を検討できます。
一方、雨漏りが長期間続いている場合や、下地の腐朽が疑われる場合は、既存の屋根材を撤去して状態を確認できる葺き替えが適していることもあります。
雨漏りがあるから必ずカバー工法ができないわけではありませんが、原因を確認し、必要な補修ができるかを判断することが前提です。
大切なのは、費用の安さだけで決めず、現在の屋根に適した工事を選ぶことです。
執筆・技術監修
執筆:株式会社 大日本絋産
技術監修:屋根施工歴30年以上の屋根技術者
©株式会社 大日本絋産