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コロニアル屋根って実際どう?屋根職人が語る施工の特徴と瓦との違い。

住宅の屋根材として広く使用されている「コロニアル」。

インターネットで調べてみると、「割れやすい」「ひび割れが心配」「補修が難しい」といった情報を見かけることがあります。

では、実際に施工している屋根職人はどう感じているのでしょうか。

結論から言うと、確かに割れには注意が必要な屋根材です。

ただし、だからといって悪い屋根材だとは思っていません。

加工しやすいというメリットもありますし、私自身、コロニアルを葺く作業は結構好きなんです。

今回は、施工経験の多いコロニアルクァッドを中心に、屋根職人から見たメリット・デメリットと、普段はなかなか聞く機会のない施工現場の話をご紹介します。


そもそもコロニアルってどんな屋根材?

コロニアルは、ケイミュー株式会社が販売する化粧スレート屋根材の製品名です。

現場では、同じような形状の化粧スレート屋根材をまとめて「コロニアル」と呼ぶこともあります。

代表的な製品には、コロニアルクァッドやコロニアルグラッサなどがあります。

両者は表面の塗装仕様などが異なり、グラッサは耐候性を重視した製品です。

今回の記事では、私自身が特に施工経験の多いコロニアルクァッドを中心にお話しします。

なお、コロニアルと呼ばれるすべての製品が、まったく同じ仕様や性能というわけではありません。


コロニアルは本当に割れやすい?

インターネットでよく見かける「コロニアルは割れやすい」という話。

これについて、実際に施工している立場からお答えすると……。

はい。確かに割れには気を使います。

施工中に、誤って踏んで割ってしまうこともあります。

もちろん、踏めば必ず割れるわけではありませんが、体重のかかり方や踏む位置などによって、ひび割れや破損が生じることがあります。

そのため、作業中は足元への注意が欠かせません。

ただし、割れやすいという特徴には、施工する側から見ると別の一面もあります。

それが、加工のしやすさです。

コロニアルは、屋根の形状に合わせて切断・加工する際、比較的扱いやすいと感じる屋根材です。

もちろん、適切な工具や施工方法を用いることが前提ですが、複雑な納まりに合わせて加工する場面では、その扱いやすさがメリットになります。

施工するときは加工しやすくて助かる。でも、うっかり踏んで割れると困る。

なかなか一筋縄ではいかない屋根材なんです。笑


コロニアルは1枚だけ交換できる?瓦との違い

コロニアルの割れについて、もう一つ知っていただきたいことがあります。

それは、割れた1枚を交換する際の難しさです。

瓦屋根の場合、瓦の種類や施工方法にもよりますが、破損した瓦を部分的に取り外して差し替えられることがあります。

一方、コロニアルは少し事情が異なります。

コロニアルは、屋根面に沿って薄い板状の本体を重ね合わせ、釘などで固定しながら施工していきます。

そのため、施工が完了した屋根では、破損した1枚を瓦のように簡単に持ち上げて取り外すことができません。

上に重なっている本体や固定位置の関係で、差し替えに手間がかかる場合があります。

もちろん、コロニアルの部分交換が不可能というわけではありません。

専用工具や適切な補修方法を用いて交換できる場合もありますが、屋根の状態や施工条件によって対応方法は異なります。

また、コロニアルが1枚割れたからといって、必ず直ちに雨漏りが発生するわけでもありません。

屋根は、屋根材だけでなく、その下にある防水シートなども含めて雨水の浸入を防ぐ構造になっています。

ただし、割れた状態を放置してよいという意味ではありません。

破損の程度や位置によって必要な対応が異なるため、まずは屋根の状態を確認することが大切です。


表面がザラザラ。滑りにくいけど、膝が痛い!

ここからは、少し職人目線のお話です。

コロニアルの表面は、ザラザラとした質感になっています。

施工中に屋根の上を移動するとき、瓦と比べて靴が滑りにくいと感じることがあります。

これは、作業する側からするとありがたい部分です。

もちろん、雨や湿気、苔などの状態によっては滑る危険がありますし、屋根の上での安全対策が不要になるわけではありません。

そして、もう一つ。

滑りにくいからといって、強く踏ん張りすぎると割れることがあります。

足元には常に注意が必要です。

さらに、このザラザラした表面。

膝をついて作業すると、結構痛いんです。

長時間同じ姿勢で作業していると、地味に膝へ負担がかかります。

屋根材の表面がザラザラしていること自体は珍しくありませんが、実際にその上で一日作業する職人にとっては、なかなか切実な問題だったりします。

お客様からすると、屋根材選びで「膝が痛いかどうか」なんて、まず気にしないでしょうけどね。笑


瓦とコロニアルでは、作業する姿勢も違う

瓦屋根とコロニアルでは、屋根材そのものだけでなく、施工するときの体勢にも違いがあります。

私たちが普段施工する瓦屋根では、棟の方を向きながら、中腰の姿勢で瓦を葺き進めることが多くあります。

これが、長時間続くと結構きつい。

とにかく腰が痛くなるんです。

一方、コロニアルの場合は、軒先側を向いて、しゃがんだり座ったりしながら作業できる場面があります。

私個人としては、この作業姿勢が結構好きです。

もちろん、屋根の勾配や形状、施工箇所によって体勢は変わりますし、どちらも安全に配慮した作業が必要です。

ただ、普段から両方の屋根材を施工していると、身体にかかる負担の違いは実感します。

瓦は腰が痛い。コロニアルは膝が痛い。

……どちらを選んでも、結局どこか痛くなるんですけどね。笑


プロの職人2人でも、コロニアルがズレることがある?

今回、特にお話ししたいのが、コロニアルの施工精度に関することです。

瓦屋根では、あらかじめ施工した瓦桟が、瓦を葺く際の位置決めに役立ちます。

もちろん、瓦工事にも割付や納まり、役物の施工など、職人の技術が必要な工程は数多くあります。

ただ、一般的な瓦の平部を葺く作業では、瓦桟があることで、葺く位置の基準が比較的分かりやすくなります。

一方、コロニアルでは、本体に設けられた目印や、屋根面に引いた基準墨などを確認しながら、一枚一枚葺き進めていきます。

ここで、少し面白い話があります。

実は、経験豊富な職人同士でも、同じ屋根面を施工すると、途中で位置がズレてしまうことがあるんです。

なぜそんなことが起こるのか。

それは、職人によって基準の取り方が微妙に違う場合があるからです。

例えば、基準墨に合わせるときでも、墨の線の上に合わせる人、線の中心を意識する人、少し下側を基準にする人など、見方や感覚に違いが出ることがあります。

もちろん、メーカーの施工基準や指定された寸法を守ることが大前提です。

しかし、そのうえで複数の職人が施工基準を十分に共有しないまま、同じ屋根面を別々の方向から葺き進めると、途中で位置が合わなくなることがあります。

これは、必ずしもどちらかの職人が下手だからというわけではありません。

単純に、最初に基準を統一できていなかったことが原因という場合もあるのです。

実際にズレに気づいたときには、施工位置を確認し、必要に応じて基準墨を引き直すなどして、適切な位置に合わせ直します。

ただ、そもそもこうした問題を避けるには、最初から作業範囲を分担することが効果的です。

私としては、できるだけ屋根面ごとに担当者を決めた方が、施工基準を統一しやすいと考えています。

いわば「一面一人」。

もちろん、屋根の規模や工程によっては複数人で施工することもありますが、その場合も基準の共有が重要です。

職人が2人いれば、単純に2倍の速さで綺麗に仕上がる。

……屋根工事は、なかなかそう簡単にはいかないんです。笑


荷上げにも違いがある。向きと表裏を間違えると大変!

屋根工事では、屋根材を葺く前の「荷上げ」も重要な作業です。

コロニアルは瓦と比べて横に長い形状をしており、束単位で運ぶと、それなりの重量があります。

私たちの現場では、コロニアルは一人で一束ずつ運ぶことが多いです。

一方、瓦の場合は、種類や梱包重量、運搬条件によっては、一度に二束運べることもあります。

もちろん、無理な重量を運ばず、安全に作業することが前提です。

そして、荷上げの際に注意したいのが、屋根材を並べる向きです。

コロニアルは、施工するときのことを考えて、向きや表裏を確認しながら配置する必要があります。

ここを間違えると、いざ葺き始めたときに大変です。

一枚一枚、向きを変えたり、置き直したり。

屋根材を葺く前から、余計な仕事が増えてしまいます。

荷上げは単純な運搬作業のように思われがちですが、その後の施工効率にも関係する大切な工程なんです。


コロニアルは欠点の多い屋根材なの?

ここまで読むと、

「結局、コロニアルって欠点が多いんじゃないの?」

と思われるかもしれません。

でも、私はそうは思っていません。

確かに割れには注意が必要ですし、施工後の部分交換にも手間がかかる場合があります。

一方で、比較的軽量であることや、加工しやすいこと、さまざまな住宅に採用されていることなど、メリットもあります。

また、屋根材の耐久性や色あせへの強さは、製品の仕様によって異なります。

例えば、同じコロニアルでもクァッドとグラッサでは表面の仕様が違います。

そして、屋根の性能は屋根材だけで決まるものではありません。

下地、防水シート、屋根勾配、板金の納まり、施工方法など、さまざまな条件が関係します。

大切なのは、一つの欠点だけを見て良し悪しを決めるのではなく、それぞれの屋根材の特徴を理解したうえで、建物に合った材料と施工方法を選ぶことだと思います。


結局、屋根職人はコロニアルが好きなのか?

さて、ここまでコロニアルについて、良いところも悪いところもお話ししてきました。

では、実際に施工している私は、コロニアルが好きなのか。

個人的には、結構好きです。

もちろん、割れには注意が必要ですし、屋根面の割付や施工基準にも気を使います。

表面がザラザラしているので、膝も痛くなります。

それでも、瓦屋根を施工するときの、あの中腰の姿勢を思い出すと……。

やっぱりコロニアルの方が、自分には合っている気がします。

それに、瓦工事でグラインダーを使って切断作業をすると、粉じんで作業着が茶色く汚れることもあります。

昔の現場を思い返すと、鼻の周りまで茶色くなっていたこともありました。

もちろん、切断作業では適切な工具や集じん・防じん対策が重要です。

それでも、そんな瓦工事の苦労を思い出すと、コロニアルを葺く作業は結構楽しいなと思うんです。

ただし、ひとつだけ誤解しないでください。

楽しいからといって、決して楽な仕事というわけではありません。

屋根材にはそれぞれの特徴があり、施工するときの難しさも違います。

瓦には瓦の良さがあり、コロニアルにはコロニアルの良さがあります。

そして、施工する職人にも、それぞれ得意な屋根材や好きな作業があります。

ちなみに、私の場合は……。

瓦を葺けば腰が痛い。コロニアルを葺けば膝が痛い。

結局、屋根職人にとって一番優しい屋根材は、まだ見つかっていません。笑


執筆:株式会社 大日本絋産 スタッフ(屋根現場歴15年以上)

屋根工事の現場で経験してきた出来事や、職人ならではの仕事の話をご紹介しています。

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